タクシーと温かな手の夢


自分はタクシーに乗ってる。
体は突然の雨に降られて、ぬれている。
ブラウスやスカートが肌にぴったりくっついて、
外ならひんやりしただろうが、タクシーは冷房が効いているので、寒い。

自分で自分を抱きしめるように乗っていると、
自分を抱きしめる手が増えてゆく。
白くて、すらっとしていて、それでいて暖かい手が、
無数に自分のからだを包み込む。

暖かい・・・とても暖かい・・・

無数の手が優しく自分を抱きしめてくれて、
私は夢心地だった・・・